個人邸
場所:三重県鈴鹿市→埼玉県川越市
□ はじまりはとても長いメール文
お客様は、1年後のご主人様の退職を機に転居を予定されていました。
場所は埼玉県、現在のお住まいは三重県。築15年の自宅をフルリノベーションする予定をお持ちでした。
ご相談は、メールでいただきましたが、その文面はとても長いものでした。
リフォーム業者に要望を伝えても、理解してもらえたプランが提案されないというご相談でした。その文面には、悩みや辛さがひしひしと感じられたのです。
□ これからの生活が楽になることが大事
お客様は車椅子の生活。
その全ての介助や家事を、まだ若い娘さんが不慣れながら全てしているという状況だったのです。
その理由をうかがい、なんとか私にできることはないかと思い、お話をさせていただきました。
理由を理解した私は、
トータルでこれからの暮らしづくりに関わらせていただくことになりました。
□ 現状のストレスと、新居に対する要望を明確にしていきます。
お客様の暮らし・生活パターン・モノの量・行動のクセ・ストレスなどを細かくヒアリングするとともに、実際に娘さんが介助する様子をみさせていただきました。
生活の隅々まで時間をかけてうかがい、そこからわかったことをプランの細部まで、具体的に伝え、修正をお願いしていきました。
右の画像には赤ペンで要望が書かれています。これが何枚も、修正するたびに(笑)
ですがこれだけ時間をかけてでも、これからの暮らしをストレスフリーにするというみんなの熱意。いい仕事に関わらせていただきました。
・1階だけで生活ができるような家事動線と仕組み
・Uターンをしない回遊できる間取り
・水回りを集中させ、間仕切りをなくした広々空間
・収納扉をなくしたオープン収納でも、雑然としない収納の配置
・物量にあった、収納内部プランニング
・暮らしやすい設備の提案や、スイッチや照明、北欧系インテリア提案
・新居の収納システムにあったグッズの提案
・引越し時にラクに片付く仕組みと順序
などなど。
□ お母様の本当の気持ち
「ラクに整う生活を通して、娘がオーガナイズを学び日々を楽しく暮らしてほしい」
話を進めていくうちに、お母様からこんな言葉が...
「毎日、介助を頑張ってくれている娘に、オーガナイズを通して、自己分析や対象の方法を教えて欲しい」
これには、正直私もびっくりしましたし、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
リノベーションといえども、決めなくてはいけないことは膨大な量。
インテリアは理想のイメージをコラージュするところからスタートし、お嬢さんの好みの「北欧ポップ」な空間を目指しました。
「収納内部にも柄のクロスを貼りましょう」「リビングにタイルを貼るのはどうですか?」
調べて、実物を確認するためにショールームにも何度も足を運んでいただきました。
ここで疲れてしまわれる方も多いのですが(苦笑)
打ち合わせはいつも明るい笑声がたえず、家づくりを楽しんでくださいました。
そんな打ち合わせは、男性のリフォーム業者さんにも私の存在を理解していただけたようです。
「打ち合わせに同行してもらって助かりました」と言っていただけたことが、私のモチベーションになっています。
この言葉は、お嬢さんの言葉です。
引っ越し直後、最後のオーガナイズ作業が終わり、今までを振り返って3人で雑談をしていたときのこと。
私は、(お母様の気持ちが伝わっていたんだ。私の伝えたかったオーガナイズも伝わったのかな)と思い嬉しさでいっぱいになりました。
この言葉は、私にとって忘れられない、忘れてはいけない言葉になりました。
最初のご依頼メールから、1年3ヶ月。
お嬢さんは本当によく頑張られました。いまでは引っ越しをする友達にアドバイスしているとのこと。
新居で明るく、楽しく、笑うご家族の様子が目に浮かびます。
レジデンシャルオーガナイザー®は動線や空間、インテリアを整えることはもちろん得意です。
ですが、それだけではなく、クライアント様の心の声を聞き、その先にみえる「理想の暮らし」を手にいれるお手伝いをしていきます。